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ほうれい線へのヒアルロン酸注入で失敗・後悔しないための注意点

口元ヒアルロン酸ほうれい線しわ

2025.07.14

ほうれい線が気になる際に、外科的な手術に比べて体への負担が少なく、
短時間で施術が完了するヒアルロン酸注入は選択しやすい施術のひとつです。
ただし、注入量や部位のバランスによっては「思っていた仕上がりと違う」と感じる
ケースもあり、不自然さやしこり、まれに皮膚の壊死といったトラブルも報告されています。
ここでは、ヒアルロン酸注入の失敗例やその原因、後悔しないための注意点、
さらにいくつかあるヒアルロン酸製剤の特徴まで解説します。

ほうれい線へのヒアルロン酸注入に関するよくある質問

ほうれい線へのヒアルロン酸注入は本当に効果がありますか?

はい。ほうれい線が目立ちにくくなるだけでなく、肌にふっくらとしたハリが出る効果が期待されます。しわの改善に加え、頬のボリュームを補正することで、若々しい印象につながります。

ほうれい線へのヒアルロン酸注入で失敗したらどうなりますか?

過剰な膨らみや不自然な仕上がり、しこりが生じることがあります。このような場合は、ヒアルロン酸を分解する「溶解注射」で修正できることが多いですが、状態によっては完全に元通りに戻せない場合もあります。異変を感じたら自己判断せずに速やかに担当医へ相談してください。

ヒアルロン酸注入で失敗したくありません。注意点を教えてください。

ヒアルロン酸注入は、担当する医師の技量や経験によって、仕上がりが大きく左右される施術です。費用の安さだけで選ばず、症例実績の豊富さやカウンセリングの丁寧さ、アフターケアなどを総合的に確認し、信頼できる医師を選ぶことが失敗を防ぐポイントです。

事前にリスクや失敗例を正しく理解しておくことは、後悔や失敗を回避でき、より納得感のある選択につながります。ぜひ最後まで読み進めてください。

ほうれい線へのヒアルロン酸注入のデメリットは?失敗例とその原因

ヒアルロン酸注入で起こりやすい失敗例と、その背景にある原因について解説します。

期待した効果を得られない

ほうれい線へのヒアルロン酸注入は、単に溝を埋めるだけではなく周辺の「土台」を補強しながら顔全体のバランスを考慮した施術が求められます。しかし、注入する位置や深さが適切でないと、期待した効果が得られないだけでなく、不自然な影ができてしまうこともあります。
さらに、片側だけに多く注入した場合は、ヒアルロン酸吸収の速度に差が生じることによって、時間の経過とともに左右非対称が目立ってくることがあります。

ふくらみが目立ち不自然な仕上がりになる

必要以上に注入すると皮膚が過剰に持ち上がり、笑ったときや話しているときに表情が硬く不自然に見えることがあります。また、皮膚が薄い部位に硬めの製剤を使用すると、光の加減で凹凸が目立ちやすくなることもあります。これは、部位ごとの特性や皮膚の厚みを考慮せずに製剤を選んだことが原因です。

内出血やしこりが生じる可能性がある

針やカニューレ(管状の医療器具)を皮下に挿入する際に毛細血管を傷つけてしまうと、内出血が生じることがあります。数日から1週間ほど、青あざや赤みが残ることがありますが、ほとんどは時間の経過とともに自然に消失するため、無理に触らないようにしましょう。

また、一度に多量を注入したり、硬めの製剤を浅い層に使用すると、ヒアルロン酸が一箇所にとどまり、しこりのようになることがあります。多くは時間とともに目立たなくなりますが、改善しない場合は早めに医師へ相談しましょう。

血管塞栓や壊死のリスクがある

ヒアルロン酸が誤って血管内に注入されると、血流が遮断される「血管塞栓(けっかんそくせん)」が起こることがあります。この状態になると、皮膚に十分な血液が届かず、放置すると壊死(組織が死んでしまう状態)に進行する可能性があります。

施術後は、注入部位の経過をよく観察してください。特に、皮膚が白くモヤがかかったように見え、さらにまだらな色調の変化があらわれた場合は、壊死の初期症状が疑われます。異変を感じたら自己判断で様子を見ず、すぐにクリニックや担当医に相談してください。早期に適切な処置を受ければ、重篤な状態への進行を防ぐことができます。

なお、こうしたリスクは、血管の位置や深さに関する十分な知識と技術を持つ医師が施術することで、大幅に低減できます。安心して施術を受けるためにも、経験豊富で信頼できる医師を選ぶことが大切です。

ヒアルロン酸注入で後悔しないために知っておくべき3つの注意点

施術を検討する前に知っておきたい基本的なポイントを3つに分けて解説します。

ヒアルロン酸注入の効果は一時的である

ヒアルロン酸は時間の経過とともに体内に吸収される性質があり、効果の持続期間は約6〜18ヶ月とされています。使用する製剤の種類や個人の体質によって差が出るため「一度の施術で半永久的に改善する」と誤解しないようにしましょう。必要に応じて継続的に施術を受ける前提で検討することが現実的です。

メンテナンスの必要がある

注入したヒアルロン酸は時間の経過とともに減少していくため、効果を持続させるためには適切なタイミングでの再注入が必要です。

自然な仕上がりを保つには、医師と相談しながら中長期的な施術計画を立て、無理のない範囲で理想的な状態を維持しましょう。

注入部位・目的に応じた製剤選択が重要

ヒアルロン酸には、硬さや弾力が異なる複数の種類があり、部位や目的に応じて適切な製剤を選ぶことが欠かせません。可動性の高い部位に硬めの製剤を使うと凹凸や違和感が残ることがあり、逆に柔らかすぎる製剤では十分なボリュームを保てないこともあります。この選択を誤ると、不自然な仕上がりや凹凸が目立つ原因になります。

十分な知識と経験を備えた医師のもとで、部位ごとの特性を考慮した施術計画を提案してもらいましょう。

ほうれい線治療にヒアルロン酸が選ばれる理由

ほうれい線の改善には、ヒアルロン酸注入のほかに、糸リフトなどの外科的治療も選択肢としてあります。その中でもヒアルロン酸が多くの方に選ばれているのは、以下のような理由からです。

メス不要で手軽に施術を受けられるから

メスを使わず注射のみで行え、身体への負担が比較的少ないのがヒアルロン酸注入の特長です。施術時間も10分程度と短いため、忙しい方でも無理なく通院できます。

さらに、外科手術のようなダウンタイムがほとんどなく、施術後すぐに通常どおりの生活に戻れるケースが多いため、まとまった休みを取りづらい方にも適しています。

施術直後から効果を感じやすいから

ヒアルロン酸注入は、鏡で仕上がりを確認しながら必要に応じて微調整できるため、仕上がりへの満足度が高まりやすいのが特長です。
また、注入部位を避ければ、施術当日からメイクや外出も可能なため、予定を崩さずに受けられる点が好まれています。

自然な印象の仕上がりが期待できるから

ヒアルロン酸は、適切な部位に適切な量を注入することで、表情に馴染む自然な仕上がりが期待できる施術です。顔全体のバランスを考えながら設計することで、周囲に気づかれず、さりげなく若返ったような印象を演出できます。「変化はほしいけれど、やりすぎた印象にはしたくない」「自然に整えたい」という方にぴったりの施術です。

ヒアルロン酸の製剤ごとの特徴と適応部位

仕上がりを自然にするためには、注入する部位や深さに合ったヒアルロン酸製剤を選ぶことが大切です。

クリニックによって取り扱う製剤は異なるため、希望があれば事前にWebサイトなどで取り扱いのある製剤を確認しましょう。なお、最終的な製剤の選択は、顔全体のバランスを見ながら医師が判断します。

以下に、代表的なヒアルロン酸製剤の特徴と適応部位をまとめました。

ヒアルロン酸の種類ボリフトXC ヒアルロン酸(アラガン社)ボリューマXC ヒアルロン酸 (アラガン社)ボライト ヒアルロン酸 (アラガン社)チャウム スタイル ヒアルロン酸
持続期間約12ヶ月約18ヶ月約9ヶ月約6~12ヶ月
やわらかさ中程度やや硬めやわらかめ中程度
適応部位浅いほうれい線 マリオネットライン深いほうれい線比較的浅いほうれい線ほうれい線 ゴルゴライン

まとめ

ヒアルロン酸注入は、ほうれい線を浅くし、表情の動きに馴染む自然な仕上がりが期待できるため、周囲に気づかれにくい「さりげない若返り」を望む方に合った施術です。

不自然な膨らみや左右差、しこりの形成などのトラブルや、血管閉塞などの重篤な合併症が起こった例もありますが、こうしたリスクは十分な技量や経験を持った医師が施術することで大幅に回避できます。

当院では、丁寧なカウンセリングを通じてご希望を伺い、骨格や表情のバランスに応じて製剤や注入方法を慎重に選定しています。施術中も仕上がりをその場で確認しながら微調整を行い、不自然さを感じさせない自然な若返りを目指します。ほうれい線へのヒアルロン酸施術をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。

■参考文献

岡田 雅,衣笠哲雄「ヒアルロン酸注入のトラブル予防1」2023.美容皮膚医学BEAUTY.#44 Vol.6 No.1 .p6-7

http://www.igaku.co.jp/pdf/2044_beauty-02.pdf

この記事を監修したドクター

⼭本 祐未 S Beauty Clinic 院⻑

資格‧所属:⽇本美容外科学会会員∕ボトックスビスタ認定医/
ジュビダームビスタ認定医

専⾨分野:美容皮膚科

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