エラへのボトックスの効果はいつから実感できる?持続する期間・ダウンタイムも解説 | S Beauty Clinic

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エラへのボトックスの効果はいつから実感できる?持続する期間・ダウンタイムも解説

小顔・フェイスライン

2025.12.05

エラボトックスは咬筋(こうきん)と呼ばれる噛む筋肉の働きをゆるめ、フェイスラインをすっきり見せる施術です。注射だけで受けられる手軽さが魅力ですが、注入後すぐに小顔になるわけではありません。ここでは、エラボトックスの効果が出るまでの経過や持続期間、さらに効果を感じにくい方の特徴を解説します。焦らず経過を見守るためのポイントや早く効果を実感するための生活習慣についてもご紹介します。

※この記事での「ボトックス」は、ボツリヌス製剤を用いた施術全体を指しています。正確には「ボトックス(ボトックスビスタ)」は、米国アラガン社製のボツリヌス製剤の製品名です。

エラボトックスの効果はいつから出る?

まず知っておきたいのは、ボトックス注射は基本的に効果が出るまでに少し時間がかかるということです。施術を受ける方の筋肉の大きさや代謝スピードによって、効果が現れるスピードに個人差もあります。すぐに効果が感じられない場合でも焦らず、医師の指示に従って様子を見守りましょう。

エラボトックス注射後の経過と変化の流れ

効果の出方をイメージしやすいよう、一般的な施術後の経過をご紹介します。

【0~2日目】

見た目の変化はほとんどありません。軽い内出血や赤みが出る場合もありますが数日で落ち着きます。

【3日前後】

噛む力が弱くなり、噛んだときにわずかな違和感を覚える可能性があります。薬剤が神経に作用しているサインです。

【1週間後】

咬筋の緊張がやわらぎ、フェイスラインの引き締まりを感じ始める頃です。歯ぎしりや噛みしめが改善します。

【2~3週間後】

鏡を見ると「なんとなく顔がほっそりした」と実感する時期です。自然な変化で周囲に気付かれる心配もほとんどありません。

【4週間後】

エラの張りがやわらぎ、輪郭がすっきり整った状態になります。多くの方が効果を実感できるタイミングです。

効果を実感するのに時間がかかる理由

ボトックスの有効成分であるA型ボツリヌストキシンは、神経末端に作用して「アセチルコリン」という神経伝達物質の放出をブロックします。これを咬筋に注射することにより、筋肉の動きが徐々に弱まり、張っていた咬筋が時間をかけて縮小(萎縮)していく仕組みです。

ボトックスが神経に作用するまでには数日〜1週間程度かかり、そこから筋肉が縮小するまでにさらに1~3週間かかります。そのため、フェイスラインの変化を感じるまでには2~4週間かかるのが一般的です。

少しでも早く効果を実感するためのポイント

施術前から施術後までを通して、体調や血流、代謝の状態を整えることがボトックスの効果を早く実感することにつながります。

施術前の準備でできること

ボトックスの定着をスムーズにするためにも、施術前はビタミンEや血液をサラサラにするお薬など、血行を促進する薬やサプリは一時的に控えましょう。血流が活発になると、注射部位に内出血が出やすくなるなど、回復を遅らせてしまう原因となります。

施術後に注意すべきこと

施術当日から1週間程度は、飲酒や激しい運動、長時間の入浴(湯船に浸かる行為)・サウナ等、過度に温まることは控えてください。これらは薬剤が意図しない部位に広がる原因となる上、高温によるタンパク質変性で、薬剤の効果に悪影響が出る場合があります。また、腫れや赤みが出た場合、清潔なタオルで保冷剤等を包み、少しひんやりと感じるくらいを目安に冷やしましょう。長時間の冷却や圧迫は逆効果となるため、冷却の際はやさしく・短時間を意識してください。

ボトックスは胎児への安全性が確立されておらず、万が一のリスクを防ぐための安全管理が必要です。妊娠を希望している女性は2回の月経が来るまで、男性は3ヶ月間の避妊が推奨されています。妊娠中・授乳中も同様の理由でボトックス施術はできません。

効果を早めたい人が意識すべき生活習慣

施術後1ヶ月ほどは、施術した部位付近の筋肉を刺激する行為を控えましょう。特に強い咀嚼(硬い食べ物やガムを噛む行為)は咬筋を再び活性化させ、効果を遅らせる原因となります。集中しているときにうっかり噛みしめてしまわないように注意するなど、筋肉の休息を優先させてください。

また、フェイシャルマッサージやエステ・美顔器等の使用も薬剤が広がってしまう可能性があるため避けましょう。施術部位が気になり触りたくなる気持ちが出てしまっても1週間程度はグッと堪えてください。

エラボトックスの効果が出ない・感じにくい人とは?

「エラボトックスを打ったのに効果が出ない」と感じる場合、その多くには理由があります。

すべてのエラ張りが筋肉に由来するものではなく、骨格や脂肪、唾液腺が原因の場合や製剤や注入量が合っていないケースなど、理由はさまざまです。こうしたケースでも対策は可能であり、原因を見極めて施術を組み合わせたり、施術計画を立て直すことで満足度を高めたりできます。

骨格や脂肪に原因がある

エラの張りがそもそもの骨格の形や皮下脂肪、唾液腺、たるみが原因の場合、筋肉を緩めてもフェイスラインの変化は限定的です。特に骨格が原因でエラが張っている場合、根本改善には骨切りのような輪郭形成の外科的治療が必要となります。唾液腺やたるみが原因の場合は、ボトックスに加えて「リフトアップ」や「脂肪減少」を目的とした施術を組み合わせることで、よりすっきりしたフェイスラインを得られます。

以下では、代表的な組み合わせをご紹介します。

糸リフト

皮膚のたるみが原因の場合、糸リフトは即効性があり、目に見える変化を感じやすいのが特徴です。施術から1ヶ月程度でダウンタイムが落ち着き、フェイスラインがシャープな印象になります。

ボトックスと組み合わせる場合はボトックス施術を先に行い、その1ヶ月後に糸リフトを行うのが理想的ですが、同時に施術することも可能です。

プライムX

プライムXは、脂肪細胞に作用する特殊超音波と深部を引き締める高周波を同時に照射し、脂肪由来のボリュームと肌のゆるみにまとめてアプローチできる施術です。二重あごや頬のもたつきを伴うタイプに適しています。

HIFU

HIFUはダウンタイムがほとんどないので忙しい方にも適しています。ただし、ボトックスは熱に弱いため、ボトックスを併用する場合は、前後2週間程度間隔を空けてください。

脂肪溶解注射

脂肪が多いタイプには、セルフェーズやFatXcoreなどの脂肪溶解注射を合わせてみましょう。ボトックスと同日施術が可能です。腫れが出るものもあるため、医師に相談しながら製剤を選んでください。

筋肉の発達が強い傾向にある

咬筋の発達が著しい場合、1回目の施術では十分な小顔効果を実感できないことがあります。筋肉量に応じて多めの製剤量が必要となるため、2回、3回と回数をかけるとより効果的です。

注入量・製剤の違いによる個人差がある

ボトックスの効果は、使用する製剤の種類や注入単位によっても差が出ます。代表的な製剤にアラガン社製の「ボトックスビスタ®」や当院で使用している韓国製の「METOX®」があり、それぞれ価格帯も異なります。

また、エラボトックスは40~80単位の薬剤を使用し、筋肉量や希望の仕上がりに合わせて注入量を細かく調整する必要があります。そのため、経験豊富な医師、特にボトックスビスタ®認定医による施術を依頼しましょう。

エラボトックス注射の持続期間

ボトックスの持続期間は、体質にもよりますが3~6ヶ月程度とされています。ただし、短期間に施術を繰り返すことで抗体が産生されてしまう場合があるため、施術間隔については医師の指示に従いましょう。

また、初めて施術を受ける人は持続期間がやや短く感じる傾向にありますが、回数を重ねることで持続期間が徐々に伸びていくこともあります。過剰に噛む習慣を改善することで、咬筋が再び発達しづらくなります。継続的なメンテナンスが勧められる理由を正しく理解し、すっきりとしたフェイスラインをキープしましょう。

エラボトックス注射で自然に小顔を叶える

エラボトックスは、エラの張りをやわらげ、自然なフェイスラインで小顔を目指せる施術です。注射だけで手軽に受けられる一方で、効果が出るまでの時間や持続期間、効果を感じにくい原因には個人差があります。焦らずに経過を見守り、ご自身のスケジュールや骨格に合ったプランを立てましょう。

当院では、表情の自然さや仕上がりの上品さを重視しているため、顔全体のバランスや筋肉の動きまで考慮した上でカウンセリングを行っています。また、他の施術との組み合わせも必要に応じてご提案いたします。すっきりとした小顔を手に入れたい方はぜひご相談ください。

■参考文献

・吉田和也.日本歯科麻酔学会雑誌「ボツリヌス毒素の口腔領域への臨床応用」日本歯科麻酔学会.2020.48巻2号.p33-40.

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjdsa/48/2/48_33/_article/-char/ja

・久保周一郎.化学と生物「ボツリヌス神経毒素の構造と作用機構」日本農芸化学会.1986.24巻6号.p372-379.

https://www.jstage.jst.go.jp/article/kagakutoseibutsu1962/24/6/24_6_372/_article/-char/ja

・Carruthers J, et al. Reduction of masseter muscle prominence after treatment with onabotulinumtoxinA: Primary results from a randomized phase 2 study. Journal of American Academy of Dermatology. 2025;92(3):464-472.

・梶 龍兒.日本内科学会雑誌「10. ボツリヌス毒素治療の今後の展望」日本内科学会.2006.95巻9号.p1895-1899.

https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/95/9/95_9_1895/_article/-char/ja

この記事を監修したドクター

⼭本 祐未 S Beauty Clinic 院⻑

資格‧所属:⽇本美容外科学会会員∕ボトックスビスタ認定医/
ジュビダームビスタ認定医

専⾨分野:美容皮膚科

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