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医療用EMSとは?家庭用との違いや効果が出る仕組みを解説

アンチエイジングダイエット肌のハリ・たるみ

2025.01.19

筋力トレーニングに使われる「EMS」。装着するだけで筋トレをしたような効果を得られるのが特徴ですが、医療用EMSは家庭用やエステで使用されるものと比べて、どのような違いがあるのかご存知でしょうか?
今回は、医療用EMSとはどのようなものか、その仕組みや効果、家庭用のEMSとの違いについて解説します。

EMSとは?

EMSとは「Electrical Muscle Stimulation」の頭文字をとった略語で、電気刺激で筋肉を動かす機器のことです。人は脳から送られる電気信号によって筋肉を収縮させ、体を動かしています。この電気信号を外部から与えることによって、筋肉に直接アプローチできるのがEMSです。 
EMSは、負荷をかけて筋トレを行わなくても装着するだけで筋トレをしたときと同じような効果が得られるため、医療機器としてリハビリテーションなどで用いられてきました。近年は体の引き締め効果基礎代謝アップによる痩身ボディラインを整える効果が注目され、美容分野でも使用されています。なかでも医療用EMSは、鍛えにくい深層の筋肉(インナーマッスル)に効果を発揮しやすく、体の各部位にピンポイントでアプローチできるのが大きな特徴です。二の腕や太もも、お腹周りなどの気になる部位を効率よく刺激して引き締め効果が期待できます。 

家庭やエステで使用されるEMSと医療用EMSとの違い

EMSには、家庭で使用される一般向け、エステなどで導入されている業務用、医療機関で使用されている医療用の大きく3種類があります。電気刺激で筋肉にアプローチする仕組みは同じですが、細かい点で違いがあります。 

アプローチできる筋肉の違い 

医療用EMSは、家庭用と比べて高い周波数で使用できる点が大きく異なります。周波数とは、1秒間に繰り返される電気刺激の波の数を表す単位のこと。ヘルツ(Hz)で表示され、周波数が高いほど、体の深部までアプローチできるとされています。つまり、高周波になるほど、深部にあるインナーマッスルまで届いて、体の奥から筋肉を刺激してくれる仕組みです。 

家庭用EMSは安全性を考慮して低周波に設定されているため、筋肉の浅い層にしかアプローチできませんが、医療用EMSはインナーマッスルまで刺激して、引き締め効果を高めてくれます。 

効果レベルの違い 

家庭用として市販されているEMSの多くは、電気を流すパッドの位置が固定されているものがほとんどです。製品によっては気になる部位に対応していない機器もあるでしょう。しかし、医療用EMSは分離型のパットを使用するため、効果を得たい部位にピンポイントで使用できる仕組みになっています。ただし、分離型のパッドを安全かつ効果的に使用するには、筋肉の流れや場所、適切な貼り付け位置を正しく理解する必要があります。医療の知識を持つ医師やスタッフだからこそできる施術であり、家庭用と比べて、より高い効果が期待できるのが魅力です。 

機器の専門性の違い 

エステでは中周波~高周波の業務用EMSが導入されていますが、あくまで一般で扱える機器として提供されるものです。医療用と比べて安定した高周波の刺激が得られるとは限らず、操作する人の知識にも差があります。一方で、高周波で高出力の性能を持つ医療用EMSは、専門知識や技術を持つ医師や医療スタッフのみが取り扱いできる機器として、効果だけでなく、安全性が高い点でも家庭用やエステ用とは異なります。 

 家庭用EMS 業務用EMS(エステなど) 医療用EMS 
周波数 低周波 中~高周波 高周波 
可能な出力レベル 低出力 中~高出力 高出力 
アプローチできる筋肉 アウターマッスル(体の浅い層にある筋肉)まで インナーマッスル(体の深いところにある筋肉)まで インナーマッスル(体の深いところにある筋肉)まで 
対応する部位の範囲 機器のパッドサイズや形状により限定される 分離型パッドで気になる部位に対応できる 分離型パッドで気になる部位に対応できる 
特徴 ・ピリピリした痛みが生じやすい ・知識のない人でも使用しやすい 担当するエステティシャンなどによって知識・技術差が生じやすい 医師や医療スタッフなど専門家により、安全・効果的に実施できる 

医療用EMSの効果 

医療用EMSは、美容医療のほかリハビリなどでも使用されます。一般的な効果として以下が挙げられます。 

  • 筋力の増強……身体機能の改善や健康維持 
  • 基礎代謝の向上……筋肉量の増加に比例して、エネルギー消費量が高まる 
  • 姿勢改善……インナーマッスルを刺激して、筋肉のバランスを整える 
  • 血流促進……筋肉への刺激により血流が促進され、疲労回復やむくみ軽減につながる 

さらに、美容面では以下のような効果が期待できます。 

  • ボディラインの引き締め ……気になる部位へのピンポイントなアプローチでボディラインを整える 
  • 脂肪燃焼……筋肉刺激による運動効果と、基礎代謝向上などの体質改善 
  • セルライト除去をサポート……脂肪燃焼を促すことで、セルライトの除去をサポート 
  • 肌のたるみ改善……筋肉の増強により、張りのある肌に導く 

医療用EMSの注意点~よくある質問~ 

医療用EMSについて、よくある質問をまとめました。 

Q.施術による痛みはありますか?

A.個人差はありますが、多くの場合、痛みを感じることはありません。筋肉への電気刺激により、ピリピリとした刺激やかゆみなどを感じる方がいます。 

当クリニックで使用している医療用EMS「トリプル333」は、電気特有のチクチクした痛みを抑える仕組みが備わっています。もし痛みを感じた場合には、出力を下げることもできます。 

Q.どんな部位でも使用できますか? 

A.顔や首、陰部、心臓周辺などへの使用はできませんが、こうした部位は通常、美容目的で筋肉を鍛える対象とはなりません。 

当クリニックでは、主に二の腕や腹部周囲、胸部、お尻、腰、背中、太もも、ふくらはぎへの施術を提案しております。 

そのほか、以下のケースにおいても使用できません。 

  1. 体内に金属やプラスチック、シリコンなどを埋め込んである部位 
  1. タトゥー(入れ墨)を入れている部位 
  1. 肌に傷や湿しん・はれものなどのある部位 
  1. 皮膚炎・過度の日焼けなど、皮膚に異常がある部位 
  1. 当日の脱毛や除毛処理をした部位 
  1. 外科手術(形成・美容など)を受けた部位 

詳しくはカウンセリングにてご相談ください。 

Q.1回だけでも効果はありますか?続けて通う必要がありますか? 

A.1度の施術でも筋肉増強を促す機会となりますが、継続いただくことでより効果が高まります。 

当クリニックでは、メンテナンストリートメントとして、2週間に1回程度の継続を推奨しております。短期間で効果を高めたい場合には、集中トリートメントとして、1週間に1~2回を目安に、1クール6回を1~2クール継続いただくのがおすすめです。 

Q.医療用EMSの効果をさらに高める方法はありますか? 

A.自宅でも筋トレなどの運動に取り組んでいただくと、より効果が高まります。施術前後は、筋肉の材料となるタンパク質が多い食事を積極的に摂るようにすると良いでしょう。 

まとめ 

医療用EMSは、忙しい方や運動が苦手な方でも、気軽に体の引き締めが期待できる機器です。インナーマッスルを刺激して体幹を鍛えるだけでなく、運動による脂肪燃焼効果が期待できます。筋肉増強による基礎代謝の向上で痩せやすい体質となり、健康維持にも役立つでしょう。 

手軽に利用できる家庭用もありますが、より効果が高い医療用EMSを活用することで、より効果的に理想のボディラインに近づきます。効率よく痩身効果を実感したい方は、お気軽にご相談ください。 

この記事を監修したドクター

⼭本 祐未 S Beauty Clinic 院⻑

資格‧所属:⽇本美容外科学会会員∕ボトックスビスタ認定医/
ジュビダームビスタ認定医

専⾨分野:美容皮膚科

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